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『 ケンジトシ 』に出てくる用語解説について
舞台『 ケンジトシ 』概要
中村倫也と黒木華の共演は、2019年にTBSテレビ金曜ドラマ『 凪のお暇 』以来。
当初は、2020年6月5日〜7月5日にかけての公演を予定していたが、新型コロナウィルスの影響で延期となっており、2023年待望の公演となった。
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主なキャスト
- 中村倫也(ケンジ・宮沢賢治 役)
- 黒木華(トシ・宮沢とし 役)
- 山崎一(イシワラ・石原莞爾 役)
- 田中俊介(ホサカ 役)
- 河内大和(コロス・カニ 役)
- 野坂弘(コロス・鹿 役)
- 依田朋子(コロス・植物 役)
ものがたり
37年の短い生涯で、今も多くの人に親しまれる作品を残した宮沢賢治。その妹で、良き理解者だったとされるトシ。2人の絆の軌跡を描いた、北村想の新作「ケンジトシ」
2人に関心を持つ「石原莞爾」と名乗る眼鏡の男(山崎一)と助手(田中俊介)、そしてトシ(黒木華)との、賢治を巡る対話を軸に進む。
ケンジトシの戯曲が掲載されている雑誌
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公演情報
東京公演
- 会場 : シアタートラム
- 公演期間 : 2023年2月7日〜2月28日
大阪公演
- 会場 : サンケイホールブリーゼ
- 公演期間 : 2023年3月3日〜3月10日
『 ケンジトシ 』に複数回出てくる用語
お釈迦様
- 用語:お釈迦様
- 出てくる場面:多数
ケンジとトシが机に向かい合い、サンスクリット語の妙法蓮華経を手にしながら話している場面。
ホサカが「吸ってはいての一呼吸」と言ったあと、イシワラが「死ぬ覚悟」「終わりとは始まり」について語っている場面。
終盤に全員があぐらや正座で輪になって話し、トシが「釈迦牟尼でさえ食あたりで死んだ」と話す場面。 - 用語の意味:
仏教の創始者で釈迦ざくの国の王子 ” シッダールタ ”のこと。
一般的に釈迦を仏陀と呼ぶが、仏教では ” 悟りを得ること ” を仏陀と呼び、個人をあらわすものではない。
悟りを得た後は ” 釈迦牟尼(しゃかむに)” や ” 釈尊(しゃくそん)” とも呼ばれる。
劇中では、仏としてどの位にいるかに関わらず、シッダールタのことを指していると思われる。
仏陀
- 用語:仏陀
- 出てくる場面:多数
ケンジとトシが机に向かい合い、サンスクリット語の妙法蓮華経を手にしながら「天文学的な時間をかけた修行をまたやりなおしたのか」と話している場面。
イシワラが「五百塵点劫の修行のすえ仏陀となった釈迦ですら終わる」と話している場面。 - 用語の意味:
悟りの境地に達した者。覚者。特に、釈迦(しゃか)の尊称。
個人をあらわす言葉ではなく ” 悟りを得ること ” 自体を仏陀と呼ぶ考え方と、釈迦を仏陀と呼ぶ考え方とがある。
如来
- 用語:如来
- 出てくる場面:多数
ケンジとトシが机に向かい合い、サンスクリット語の妙法蓮華経を手にしながら「天文学的な時間をかけた修行をまたやりなおしたのか」と話している場面。 - 用語の意味:
真理を得て悟りをひらいた人。
お釈迦様も釈迦如来と呼ばれ、如来のひとりだが、” 釈迦如来 ” は釈迦ひとりだけ。
如来にはその他、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来などがおられるが、この場合は複数である。
菩薩
- 用語:菩薩
- 出てくる場面:多数
ケンジとトシが机に向かい合い、サンスクリット語の妙法蓮華経を手にしながら「天文学的な時間をかけた修行をまたやりなおしたのか」と話している場面。 - 用語の意味:
” 悟りを求めるもの ” の意味。
如来をなることを目標に修行している途中の修行者のこと。
仏の位(階層)について
劇中に、お釈迦様・如来・菩薩などの仏の名称が出てきます。
「お釈迦様が如来になってから、また菩薩に戻って修行をやり直す。天文学的な時間をかけて仏陀になったのに…」など立て続けに出てきてますので、上記の仏の名称による違いや、仏の位や階層についてざっくりでも知っていると、会話の理解が入りやすいかもしれません。
出てくる用語一覧
タゴールさん
- 用語:タゴールさん
- 出てくる場面:
ケンジとトシが机に向かい合い「花巻高等女学校にタゴールさんが訪問し、お礼にトシがケンジの詩『 青森挽歌 』を朗読した」という話をしている場面。
ケンジのことをタゴールさんに話したら、お礼にとサンスクリット語の妙法蓮華経をタゴールから贈られる。 - 用語の意味:
インドの詩人・思想家、作曲家で、ノーベル文学賞を受賞した、ラビンドラナート・タゴールのこと。
ケンジが信仰している法華経の原本がサンスクリット語で書かれたものとされている。
法華経
- 用語:法華経(ほけきょう)
- 出てくる場面:多数
・ケンジとトシが机に向かい合い、タゴールさんにもらったサンスクリット語の経典の話をしている際、 - 用語の意味:
大乗仏教(仏教の宗派)の代表的な経典で” すべてに感謝し手を合わせて南無妙法蓮華経を唱えることで、誰もが平等に成仏できる」という仏教思想が説かれている。
法華経では、人間だけでなく動植物や大地など、すべてのものに仏の心が備わっているとされている。
ケンジは法華経の熱心に信仰していたとされる。
如来寿量品[第十六]- にょらいじゅりょうほん –
- 用語:
如来寿量品[第十六]- にょらいじゅりょうほん だいじゅうろく- - 出てくる場面:
ケンジとトシが机に向かい合い、ケンジが「妙法蓮華経のなかでも最も大切な部分」と力説している。
トシが「お釈迦様がすべての菩薩に ” 真実の言葉を語っている如来を信じなさい ” と3回行って、弥勒菩薩が ” 私達は信じます ” と3回応える」と、如来寿量品第十六の冒頭について説明している。 - 用語の意味:
法華経の中で一番大事な所で、仏の寿命は永遠であると説かれています。そしてこの世界が仏の世界であるとお教えになられました。
仏は人々を救済するために仮に地上に姿を現わされたが、本来は永遠の昔から悟りを開いており、この仏の命は永遠であるという立場が取られています。
三千塵点劫 – さんぜんじんてんごう –
- 用語:
三千塵点劫 -さんぜんじんてんごう- - 出てくる場面:
ケンジとトシが机に向かい合い妙法蓮華経を手にしながら、トシが「三千塵点劫という天文学的な時間を掛けた修行を、また同じ時間をかけ繰り返す」と話し、ケンジが「そこが難しいが大事なところ。問題は時間の長さではない」と語る場面。 - 用語の意味:
途方もなく長い時間のたとえ。
久遠の修行
- 用語:
久遠(くおん)の修行 - 出てくる場面:
ケンジとトシが机に向かい合い妙法蓮華経を手にしながら、ケンジが「仏陀が三千塵点劫の修行ののち、また菩薩から修行をやり直す。時間の長さではなく、修行とは永遠であるものだと法華経に説いてある」と語る。 - 用語の意味:
久遠(くおん)とは、時間が無窮であることで、限りがなく永遠の修行のこと。
イーハトーヴ
- 用語:
イーハトーヴ(の設計図) - 出てくる場面:
ケンジとトシが机に向かい合い妙法蓮華経を手にしながら、お釈迦様の修行に関して話したあと、ケンジがトシに見せたかったものとして、ホサカから受け取った設計図。 - 用語の意味:
賢治の心象世界の中にある理想郷を指す言葉で、宮沢賢治の故郷であり、岩手県の内陸を中心としたものだという見解が定説となっていま
菩薩(ケンジとトシがお互いに対して使う)
- 用語:
菩薩(仏としての菩薩ではなく、ケンジとトシがお互いに対して使うときの菩薩) - 出てくる場面:
イーハトーヴの設計図を見たトシがケンジのことを「菩薩のよう」と言い、ケンジは「トシのほうが菩薩のよう。本当の菩薩は、自分を正しいと思うのではなく、自分の学んだことを信じること」とお互いに言う。 - 用語の意味:
悟りに達するために必要な修行6つの善行 ” 六波羅蜜 ” にあるような、世のため人のために尽くすこと、仏様の戒めを守り自分自身を向上させていくこと、たゆまず正しい教えの道に励み努力すること、など、そういった姿勢のお互いを菩薩のようだと表したのではないかと思われる。
アドレッセンス
- 用語:
アドレッセンス - 出てくる場面:
ケンジが『 わたくしどもは 』のある女と暮らしをイシワラに語ったが、その難解な話の解釈をトシに問うイシワラ。
女との暮らしに出てくる花を関数座標の片方だとしたときに、もう片方の変数となるものがアドレッセンスだと、トシは説明した。 - 用語の意味:
思春期から青年期、13歳から16歳の心情を言う。
超自然
- 用語:超自然
- 出てくる場面:
ケンジが話した『わたくしどもは』の難解さに、トシに解釈を問うイシワラに対し説明をするなかで「兄の詩は自然や超自然を相手にしたものばかり」と説明している。 - 用語の意味:
自然界の法則を超えたこと、理性では説明のつかない神秘的なものごと
形として法則を超えた神秘的なこと(超自然)を、本来の目的のために仮に用いる方法(方便)としていた。
方便
- 用語:方便
- 出てくる場面:
ケンジが話した『わたくしどもは』の解釈を話すトシが「兄が法華経の信者になったのは、形として超自然を方便としていたから」と語る。 - 用語の意味:
本来の目的のために仮に用いる方法のこと。
” 形として超自然を方便としていた ”→形として、法則を超えた神秘的なこと(超自然)を、本来の目的のために仮に用いる方法(方便)としていた。
求道 -ぐどう-
- 用語:求道
- 出てくる場面:
ケンジが語った『わたくしどもは』の解釈を、イシワラに話すトシ。
「兄は自身のアドレッセンスに気付き、体の成長だけを認め、その他が大人へ移行することを意図的に否定し”避難”したことで、普通の大人とは違った青少年期の心を持った観察する視点を持ち続けた(要約)」と語るトシは「それに輪をかけたのが菩薩道の求道だ」と話した。 - 用語の意味:
仏のさとりを求めること。また、一つの道の極致を求め修行すること。
劇中においては、求道がケンジが普通の大人とは違った青少年期の心を持った観察する視点を持つことに作用したと語られる。
春と修羅
- 用語:春と修羅
- 出てくる場面:
ケンジが語った『わたくしどもは』の解釈を、トシがイシワラに話す最中、
「自身のアドレッセンスに気付き、心と身体の成長の乖離から避難・抵抗をしながら執筆したため、春と修羅の内容が次第に暗鬱でフィジカルで不健康なものになったのは」と言う場面。 - 用語の意味:
宮沢賢治の口語詩の詩集。
1924年4月に発行され、1922年1月〜1923年12月に書かれた詩が掲載されいており、トシが亡くなった日に書かれた『永訣の朝』も収められている。
輪廻からの解脱
- 用語:輪廻からの解脱-りんねからのげだつ-
- 出てくる場面:
ケンジが語った『わたくしどもは』の解釈を、トシがイシワラに話す最中、「あらゆる宗教はこの世からの逸脱をはかる」と話し「仏教でいうと、輪廻からの解脱」と話す場面。 - 用語の意味:
輪廻=命あるもの一回限りの生ではなく,死後もなんらかの存在に生まれ変わり,それを何度も繰り返すこと。
仏教では、輪廻は自由のない束縛された世界であり,生まれ変わる世界を選択することができないため苦しいこととされている。
解脱=輪廻の世界から抜け出すこと。
覚有情 -かくうじょう-
- 用語:覚有情 -かくうじょう-
- 出てくる場面:
イシワラに「悟りとは敗者の弁になるのでは?菩薩が求めていくものはなにだと思うか?」と問われたトシが、「この世がわからないなら、分かる世にする。覚有情。衆生を救う」と返す場面。 - 用語の意味:
菩薩の漢訳。悟りを求め修行する者、またはその姿勢のこと。
永劫回帰
- 用語:永劫回帰 -えいごうかいき-
- 出てくる場面:
イシワラが、「人の寿命は吸って吐いての一呼吸。人はみな終わる、釈迦でさえ終わる。終わりとは新しい始まり。永劫回帰のとごく」と語る場面。 - 用語の意味:
世の中は同じ事象が永遠に繰り返してくるということ。 「永劫」は、無限に続く長い年月。 「回帰」は、一周して元のところへかえること。
なぜ通信が許されないのか
- 用語:なぜ通信が許されないのか
- 出てくる場面:
舞台上から消えたトシ。トシが話した言葉をもとにイシワラが「人皆終わる。終わりとは新しい始まり」と話す中、不安げに体育座りをしているケンジが、不安と苛立ちの混じったような声で言う「なぜ通信が許されないのか」 - 用語の意味:
宮沢賢治の詩『青森挽歌』の中に出てくる一節。詩の中では、
なぜ通信が許されないのか
許されてゐる そして私のうけとつた通信は
母が夏のかん病のよるにゆめみたとおなじだ
と続く。
ケンジトシに登場する宮沢賢治の詩や童話
劇中に出てきた賢治作品
- 心象スケッチ 春と修羅
- 雨ニモマケズ
- 月夜のでんしんばしら
- 宮沢賢治 詩ノート
- ひかりの素足
- やまなし
- 雪渡り
- マリヴロンと少女
東岩手火山
- タイトル:東岩手火山
(心象スケッチ 春と修羅 より) - 劇中朗読者:コロス
- 出てくる場面:
コロスの1回目の朗読。
イシワラが、トシの一生についての主な出来事を語ったあとに朗読される。 - 朗読部分抜粋:
向ふの白いのですか
雪ぢやありません
けれども行つてごらんなさい
まだ一時間もありますから
・・・・
鳥はいよいよしつかりとなき私はゆつくりと踏み月はいま二つに見える
雨ニモマケズ
- タイトル:雨ニモマケズ
- 劇中朗読者:ケンジ
- 出てくる場面:
ケンジが二度目に登場した際、イシワラが「雨ニモ ”マヌケ”」とケンジに向かって声をかけると、それに続いて「雨ニモマヌケ 風ニモマヌケ —–」とケンジが続ける。
ケンジの朗読のあと、コロスが「南妙法蓮華経」と口々に言うなか、背景に映し出されて手書きの南妙法蓮華経は、実際にケンジが手帳に書いていた文字である。 - 朗読部分 抜粋:
雨ニモマケズ 風ニモマケズ 雪ニモ 夏ノ暑サニモマケヌ
・・・・・
ホメラレモセズ クニモサレズ サウイフモノニ ワタシハナリタイ
月夜のでんしんばしら
- タイトル:月夜のでんしんばしら
- 劇中朗読者:コロス
- 出てくる場面:
コロス2回目の朗読(歌)
イシワラが ”日照り”の話をしているうちに季節は初夏になり、これから机に向かい合って話すケンジとトシのことを思い「ケンジとトシの思い出の夏としておく」イシワラがホサカに記録を頼んだあとに歌われる。 - 朗読部分 抜粋:
ドツテテドツテテ、ドツテテド、でんしんばしらのぐんたいは はやさせかいにたぐひなし
青森挽歌
- タイトル:青森挽歌
(心象スケッチ 春と修羅 より) - 劇中朗読者:トシとコロス
- 出てくる場面:
トシが花巻高等女学校の制服を来て、ケンジと机で向かい合い話している際、「タゴールさんにお礼として兄さの詩を朗読した」と言って朗読を始め場面。途中からコロスもトシを囲み声を合わせる。 - 朗読部分 抜粋:
こんなやみよののはらのなかをゆくときは
客車のまどはみんな水族館の窓になる
・・・・
なぜ通信が許されないのか
許されている そして私の受け取った通信は
母が夏の看病のよるにゆめみたとおなじだ
青森挽歌
- タイトル:青森挽歌
(心象スケッチ 春と修羅 より) - 劇中朗読者:コロス
- 出てくる場面:
花巻高等女学校の制服を着たトシとケンジは向かい合って話していたが、気づかぬうちにトシが姿を消した。
トシを探し「トシ、トシ・・・」と言いながら彷徨い歩いてくるケンジ。そんなケンジを囲んで朗読を始めるコロス。 - 朗読部分 抜粋:
なぜ通信が許されないのか
許されている そして私の受け取った通信は
母が夏の看病のよるにゆめみたとおなじだ
・・・・・
もうぢきよるはあけるのに
すべてあるがごとくにあり
かゞやくごとくにかがやくもの
おまへの武器やあらゆるものは
おまへにくらくおそろしく
まことはたのしくあかるいのだ
わたくしどもは
- タイトル:一〇七一 わたくしどもは
(宮沢賢治 詩ノート 1927.6.1 より) - 劇中朗読者:ケンジ
- 出てくる場面:
花巻高等女学校の制服を来たトシが気づかぬうちに姿を消してから、トシを探しているケンジが絶望の様子で舞台上に現れる。
机にイシワラと向かい合い”その女”との花をめぐる出来事を話す。この内容が『わたくしどもは』である。 - 朗読部分 抜粋:
わたくしどもは
ちゃうど一年いっしょに暮しました
その女はやさしく蒼白く
その眼はいつでも何かわたくしのわからない夢を見てゐるやうでした・・・・・
永訣の朝
- タイトル:永訣の朝
(心象スケッチ 春と修羅 より) - 劇中朗読者:コロス
- 出てくる場面:
この朗読を経て、椅子と机がなくなり、ケンジとトシが白だけの舞台で、雪の中を歩く場面のへつながる。 - 朗読部分 抜粋:
きょうのうちに
とおくへいってしまうわたくしのいもうとよ
みぞれがふつておもてはへんにあかるいのだ
あめゆじゆとてちてけんじや
・・・・
おまへとみんなとに聖い資糧をもたらすやうに
わたくしのすべてのさいはひをかけてねがふ
ひかりの素足
- タイトル:ひかりの素足
- 劇中:ケンジとトシ
- 出てくる場面:
ケンジとトシが、雪の中を歩き、トシが亡くなる場面。
『ひかりの素足』ではある兄弟の物語である。 - 朗読部分 抜粋:
「早ぐ峠越えるべ。雪降って来るぢょ。さあトシ、早ぐのぼれ、雪降って来た。上さ行げば平らだ」・・・・
やまなし
- タイトル:やまなし
- 劇中朗読:コロス他
- 出てくる場面:
雪の中で話すケンジとトシ。
「宇宙意志のように感じていたものは、菩薩の眼差しだ。『やまなし』にはその視線がある」とトシはケンジに語りかける。
その他、雪山でワルツを踊ったケンジとトシのあと。 - 朗読部分 抜粋:
二疋ひきの蟹かにの子供らが青じろい水の底で話していました。『クラムボンはわらったよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』『クラムボンは跳はねてわらったよ。』『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』・・・
雪渡り
- タイトル:雪渡り
- 劇中ワルツ:ケンジトシ
- 出てくる場面:
雪の中で話すケンジとトシ。
歌いながらワルツを踊ります。 - ワルツ部分 抜粋:
凍しみ雪しんこ、堅雪かんこ、キック、キック、トントン。キック、キック、トントン。キック、キック、キック、キック、トントントン。
マリヴロンと少女
- タイトル:マリヴロンと少女
- 劇中歌:ケンジ
- 出てくる場面:
「素敵な言葉を言って終わりに出来たらいい」と言うトシに、「マリヴロンが少女を諭したような言葉」とケンジが言い『マリヴロンと少女』を朗読します。 - 朗読部分 抜粋:
立派なおしごとをあちらへ行ってなさるでしょう。それはわたくしなどよりははるかに高いしごとです。正しく清くはたらくひとはひとつの大きな芸術を時間のうしろにつくるのです。ごらんなさい。向うの青いそらのなかを一羽の鵠こうがとんで行きます。鳥はうしろにみなそのあとをもつのです。みんなはそれを見ないでしょうが、わたくしはそれを見るのです。おんなじようにわたくしどもはみなそのあとにひとつの世界をつくって来ます。それがあらゆる人々のいちばん高い芸術です。
花巻農学校 精神歌
- タイトル:花巻農学校 精神歌
- 劇中歌:ケンジとトシとコロス
- 出てくる場面:
ケンジの『マリヴロンと少女』朗読の後、「クラムボンとマリヴロンがオノマトペのよう」と言うトシに、全員がクラムボン、マリヴロンと口々に言いながら、言葉を探している最中、フッと全員の声が止まり、ケンジが歌詞を読み上げ始める。 - 花巻農学校 精神歌とは:
1921年12月に農学校の教諭になった賢治は、翌年の2月に下記のような歌詞を作り、知人に依頼して曲も付けた。
当時の校長はこの歌にいたく感動して、校歌にしたいと賢治に要請したが、賢治は「そういうつもりで作ったものでないから」と、何度頼まれても辞退したという。
しかしその後、この歌は「精神歌」と呼ばれて農学校の生徒や職員に愛されつづけ、何か学校の行事があるたびに、全員で歌うならわしとなった。 - 歌詞部分 抜粋:
(一)日ハ君臨シ カガヤキハ
白金ノアメ ソソギタリ
ワレラハ黒キ ツチニ俯シ
マコトノクサノ タネマケリ
(二)日ハ君臨シ 穹窿ニ
ミナギリワタス 青ビカリ
ヒカリノアセヲ 感ズレバ
気圏ノキハミ 隈モナシ
『 ケンジトシ 』に関する記事一覧
『 ケンジトシ 』チケット当落アンケート
舞台といえば、チケット取れるかどうかも大きな問題ですね。
今回の『 ケンジトシ 』のチケット当落について、当選した方と落選した方の傾向について、アンケートを取りまとめました。
今後のチケット争奪戦の参考にしてください♫
【 ケンジトシ・チケット 】当落アンケート、結果発表!今後の舞台チケット先行申込み時の参考に!
このサイト ” ナカムログ ” のTwitterにて、『 ケンジトシ当落アンケート 』を開催し、たくさんの方に投票いただきました。ご協力いただいたみなさま、ありがとうござい…
『 ケンジトシ 』観劇時にオススメのロケ地めぐり
チケットが無事にとれたら、観劇を満喫しましょう!
舞台に合わせて上京される方、観劇のために沼女のお倫だちとあつまるみなさん、中村倫也のロケ地を巡ってテンションあげちゃいましょう♫
【 ロケ地巡り 】舞台『 ケンジトシ 』観劇時に寄れる 中村倫也 が行った映画・ドラマなどのロケ地
2023年2月7日から上演される 舞台『 ケンジトシ 』観劇のために上京したり、ファンのお友達と集まったり。せっかくだから、ロケ地巡りも行きたいですよね♫会場となる ” …